友達以上恋人未満から進まない

友達以上恋人未満から関係を進めるのに、女性のほうから歩み寄ってほしい。

今日はそんな男性の期待を前に、身動きが取れなくなっている女性に向けてのお話です。
お心当たりはありませんか? 私はお心当たりがありすぎです(笑)

あとちょっと、なんだけど……

ふたりっきりで食事に行くこともある、趣味も合ってなんでも話せる。一緒にいて気が合う。お互いに好意もありそう。

……だけど明確に恋人というわけでもない。

距離が徐々に近づいている感じを得られているときはとても楽しかったのに、いざ「あとちょっと!」のところまで来たら、変化の流れがぴたっと止まって膠着状態。「特別な関係になる?ならない?」頭の中を問いがぐるぐる、心はヤキモキ。

そんな友達以上恋人未満な状況が長く続いたとき、あなたはどうしますか?

「ねぇ、私たちってどういう関係?」
ふわふわの泡がのったカフェラテを口に運びながら上目遣いで彼に尋ねる……。なんて芸当が出来る方は、きっとこの状況で悩みはしません。友達なのか恋人なのかハッキリとした答えをもらってイエスでもノーでも次のステップへGO!です。

でも、そんなこと出来ません!という方のほうが多いのではないでしょうか。好意は持っているけれども、付き合うというレベルのものなのかイマイチ自分でもはっきりしない、彼のほうの態度も曖昧、でもそうやって彼のことばかりを考えていると、彼は自分にとって特別な存在なのかもしれないと思えてきて……。

だけど彼の態度は変わらない。関係を変えたいのなら、自分が動くしかない。どうしよう……。

その「どうしよう」の悩みに答える前に、まずは男性の心理を考えてみましょう。

友達以上恋人未満。だけど自分からは動けない

連絡を頻繁に取る。一日の最後に「おやすみ」とメッセージを伝えあって終わる日だって何度もある。……自分は特別なのかな?

淡く浮かんでくる問いの答えが知りたくて大勢の友達と一緒に会っているときも彼女のことをいつも目で追ってしまう。

自分にはよく笑いかけてくれる。でも……あいつにだって笑ってる。自分は特別じゃないの?

目で追いかければ追いかけるほど確信から遠ざかり、彼女と二人で会っていても「自分は特別」の証拠探しに意識がいき、彼女の言動に一喜一憂。次第にそんな関係にも疲れてきて、でも彼女のことは気になって……。

そんなモヤモヤの状態で彼は動けません。なぜか? 

傷付くことを”回避”する

……それは簡単ですよね、答えは「傷つくのが怖いから」。この気持ちはもちろん誰にでもあって、多かれ少なかれそんな気持ちと関係を進めたい気持ちとで葛藤し、人は答えを見つけていきます。

そんなときにエイヤー!と気合で動ける人もいますが、中には冒頭のセリフ「友達以上恋人未満から関係を進めるのに、女性のほうから歩み寄ってほしい」のように、決断を女性に求める方もいます。

もちろんこれは男性に限った話ではなく、自分が決めきれないから相手に決断を委ねる、というケースは社会全体で増えてきているようです。また、人間関係をより深めることに躊躇してしまうというのは「回避」傾向と言い、それは心理用語の回避型愛着スタイルの「回避」を指します。決断を相手に委ねるというのも、責任を回避しているんですね。

現代社会はこの回避の方が増えている、と言われています。そのため話を元に戻していきますが、「自分からは進めない。だから相手に進めてほしい」という状態になりがち。そして、もしお互いがその状態であると特に恋愛は一切進まない。

最近の10代、20代の若者は恋愛に興味が乏しい、なんて言われているようですが、その背景はこの回避傾向に大いに関係があるのです。

友達以上恋人未満。だったら私が……

さて、もう一度女性の心理に戻りましょう。

男性は心の扉のカギは開けたものの扉はぴっちり閉じたままの状態で「どうぞドアノブに手を掛けて開いて」とお願いしている状態です。

そんな男性に対してあなたはどうしますか?

「そんな男はまっぴらごめん!」ときっぱり言える方は問題ありません。けれどこの状況でこんな心境になる方もいますよね。

私ががんばったらいいのかもしれない……。

明確に相手の心理が言葉に表れていなくても、人は感じ取るものです。
男性の不安を感じ取り、その男性を安心させてあげようと、もしかしたら断られて自分が傷つくかもしれないという怖れを抑え込み、関係を一歩進める覚悟を決める女性。

それは勇気ある行動として称えられることなのかもしれません。だけど私はこう言いたい。

ちょっと待って!

今一度考えてほしいのです。
あなたがその男性から本当に欲しいものは何? 

特別な相手に求めること

一緒に美味しいごはんを食べて喜んで、いろんなものを一緒に見に行って感動を共有し、お互いに触れあって肌のぬくもりを伝え合う。
そんな何気ない日常を過ごしながらも、ときに起こるトラブルで辛いときには受け止めてくれて、泣きたいときに寄り添ってくれて、ときには強さを示して守ってくれる。

一言で言えば、包容力

あなたが本当に欲しいのはそういうものではないでしょうか。

実は相手を安心させてあげたいと思う女性ほど、自分自身が安心させてもらったことがないのです。優しく温かく包まれた経験に乏しいのです。それを自分自身が渇望するからこそ、先に自分が与えることで、それを得ようとするのです。

安心を与えてもらっていないのに、安心を与えよう、与えようとずっとやってきたからこそ、特別な男性に安心をもらいたいと願うのは、心の動きとしては当然です。

けれど、「友達以上恋人未満から関係を進めるのに、女性のほうから歩み寄って」という男性が、そんな包容力を発揮してくれると思いますか?

残念ながら、確率はかなり低い。

もちろん人は変わっていくことができるので、恋愛スタート時には受け身でも、やがて強さを身に着け、あなたの手を取り引っ張ってくれる男性に変わるかもしれません。

でもね、まだ人として発展途上の若者でもそうなるか危ういのに、もうだいぶ年を重ねたいい大人がそんな風に変化するなんてことは夢物語と私は思ってしまいます。(と言っていますが、それほど昔でもない昔、私も相手が変わってくれることを期待していたのですけどね。苦笑)

「付き合い始めたら変わるよね?」という期待は「白馬の王子様」との出逢いを求める気持ちと同じそんな素敵な恋物語をその手に掴んだ人ももちろんこの世界にはいるのでしょうが、宝くじに当たるよりも確率は低いかもしれません。

それを求め続けるかどうか。

お互いに相手に求め続けている

そっちから関わってくれ、この関係を変えてくれ、自分を満足させてくれ。

私が最初にがんばったじゃない。
今度はあなたの番よ。
私を満足させて。私を安心させて。私を守って。

せっかく恋愛関係がスタートしても、お互いに「欲しい」と要求するばかりになってしまいます。特に先に踏み込んだほうは相手に貸しがあるので(と思ってしまうことも実は問題なのですが、そういう感覚になる)要求する気持ちが強くなります。一方で、もともと引き気味だった人は、そうやって強く要求されればされるほど更に心の扉の奥に引きこもるようになります。

そうなったら……関係は破綻します。
お互いに「相手に傷つけられた」という気持ちを抱え、相手に責任を押し付けます。

そんな恋愛、文字にして客観的に見てみれば、哀しいですよね。

そうならないためにはどうしたらいいのでしょうか。

自己犠牲の理由

私ががんばればいいのかも。

場がうまく動かないときに、そうやって自分ががんばることで状況をうまく進めようとしてしまう人は、共依存体質(正確には共依存のイネイブラー)です。

相手の不安を取り除いてあげたり、相手の甘えを許しているので、一見自立した女性のように思われがちですが、実はそういう相手がいることで「自分」というものを保っています。

本当に自立して自分の価値基準を明確に意識した上で選択していないので、自分の本当の望みが満たされないと自分ではどうにもならないほどの怒りが生まれてしまいます。

本当の望みとは「安心させてもらうこと」。
何をしてもしなくても、ただここにいていいと、あたたかさに包まれること。

それが欲しいから一生懸命にがんばるのに、いくらがんばってもそれが得られなければ怒りが生まれて当然です。望む気持ちが強ければ強いほど、それが得られなかったときの怒りも強くなる。そのどうしようもない怒りは時に相手に向かって相手との関係を破綻させ、時に自分に向かって自分で自分を深く傷つけます。

共依存体質の人はそうやって自己犠牲を重ね、そして最後には怒りに辿り着き、結果、ほしいものはひとつも手に入らないことになってしまうのです。

共依存の克服に向けて

そんな共依存体質をどうやって克服していけばいいのでしょうか。

まずは自分が共依存であると気づくこと

共依存であるとはつまり「自分ががんばることで本当に得たかったのは、安心感なんだ」と知ることです。そうやってがんばって得ようとするほどに、自分に安心感が足りないのだということを知ることです。

安心感が足らない理由はさまざまですが、根っこは親子関係にあります。本来ならばその安心感は、幼少期に親から充分に満たされなければならないものなのです。

けれど何らかの理由で満たされなかった。だからその分がんばろうとしてしまったのが、共依存体質の人です。

では、その満たされなかった安心感をどうしたらいいのか? 誰かに求めればいいのでしょうか?

……それが違うということ、分かりますよね。相手に先に安心感を与えてほしいと求めるのは「友達以上恋人未満から関係を進めるのに、女性のほうから歩み寄ってほしい」と言うことと同じです。(だから実は男性側の問題もまた「安心感がない」というところに帰結することになるのですね)

もちろん相手に求める気持ちがあるのはいいのですが、まずはその前に、自分で自分を満たすこと、なんです。

「自分で自分を満たす」とは色んな方が伝えていることなので、さまざまな方法が紹介されていますが、私が思うに、まず満たそうとする前に手放さないといけないものがあります。

それは「このままの私では価値がない。愛されない」という想いです。
その想いがある限りは、どんなに自分を満たそうとしても穴の開いたバケツに水を汲み入れているようなもの。それもまた、がんばり続けなければ、自分を満たし続けなければ、安心できない、という状態になってしまいます。

「このままの私では価値がない。愛されない」という想いを手放す方法のひとつが心理セラピーです。さまざまな方法があるかと思いますが、ひとつの方法として選択肢に入れて考えてもらいたいなと思います。

最後の決断は自分で

自分で自分を満たすことをしてきても、好きになった相手がやはり「あなたから愛して」と求める人である可能性は十分にあります。先に述べたように今はそういう人が増えているからです。

そんなときにどうしたらいいのか?

最近の私が思うに「本当に相手を好きだと思うなら、飛び込んでみたらいい」ということ。それはもちろん、どんな結末になろうとも自分が責任を取れるなら、です。

険しい道かもしれないけれど、進んでみたいと思うなら進んでみればいい。

自分を満たすということを実践できる人であれば、その恋がどうなろうとも、きっと幸せな未来が待っています。


さて、最後にパートナーと幸せな生活を送っている先輩からもらった一言をあなたにもお伝えしましょう。

「いないと思うからいない。いると思ったら、いるんだよ」

誰もかれもが「あなたから愛して」と求める人ばかりじゃないよ、ということですね。

信じる信じないもまた、あなた次第。


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